クリニックブログ

2017.09.25更新

まだ妊娠を考えてない方にとって、避妊はとても大事なこと。

日本国内で、年間20万件もの中絶手術が行われていることを考えると、

もっと避妊することに積極的になってもらいたいのです。

元気な赤ちゃんを迎える為に、産婦人科医として働いているのに、

中絶手術をすることほど、心を削ることはありません。

ぜひとも、避妊に関する知識を深めていただきたいと思います。

まず、メジャーなものとしては

コンドーム
これは、はっきり言って男性主体の避妊方法です。

最初から最後までしっかりつけない男性もいるでしょう。

ちゃんと使えば、パール指数(1年間に何%の女性が妊娠するか)は

ですが、途中からつけたり、途中で破れたりすると、パール指数は

15に跳ね上がってしまいます。

なので、コンドームだけに頼るのはあまりお勧めしません。

普段の外来でも、途中で破れたといって受診する女性は結構います。

もちろん、性病予防目的でコンドームを使うことはとても大事ですよ。

ピル
コンドームは男性主体といいましたが、女性主体の避妊方法としては

ピルがあります。

ピルのパール指数は、0.1

ほぼ間違いなく避妊できることになります。

ただ、日本国内ではまだまだ普及していないのが実情。

ヨーロッパでは3~4割の女性が避妊方法としてピルを選んでいるのに対し、

日本ではわずか1%

 

外来でお勧めしても、ピルはちょっと・・・という患者さんも結構多いです。

なので、そういう時は、ピルのメリットとデメリットをしっかり説明して、

選んでもらっています。

ピルに関する説明はとても長くなるので

また次回に!

 

投稿者: 平和島レディースクリニック

2017.09.06更新

避妊や生理痛に対して使っている

低用量ピルには、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという二種類のホルモンが含まれています。

 

そして、この二種類のホルモンを同時に服用することで心配される副作用が

「血栓症」

というもの。

血管の中に血栓という血の塊が出来てしまって、脳の血管を詰まらせてしまう脳梗塞だったり、肺の血管を詰まらせてしまう肺塞栓だったり、ひどい場合には命に関わる副作用です。

もちろん、この血栓症がおきるリスクというのは

非常に低くて、何も使ってない人で

1万あたり1~5人程度

それがピルを飲むことによって、

1万人あたり3~9人

に増えます。

この数字を多いととるか少ないと取るかは難しいところですが、生理痛がとてもつらくて寝込むほどの方には、ピル内服を十分考えてもいいのではないでしょうか。

ちなみに、この血栓症という病気、妊娠することでも起きてしまうんです。

妊娠中・分娩後12週間の間に血栓症が起きる確率は

1万人中50人ほど!

そう考えると、ピルのリスクはかなり低いと言えます。

もちろん、ピルによる血栓症=死というわけではなくて、ピル服用中の死亡率は10万人に1人程度ともいわれています。

この血栓症のリスクについては、日本産科婦人科学会に報告されていますので、こちらも参考にしてくださいね。

http://www.jsog.or.jp/news/html/announce_20131227.html

ちなみに、ピルの種類のひとつにルナベルというものがあります。

以前から発売されていたのは、ルナベルLD

そして、血栓症を軽減できるのでは、という目的で、卵胞ホルモンを減らして新たに発売されたのが、ルナベルULDです。

で、実際に副作用はどうなったかというと・・・

新しく発売されたルナベルULDでは不正出血の確率が高くなってしまいました。

その代わりに吐き気が出る確率は下がったのです。

つまり、不正出血の悩みが大きい方は新しいULDがおすすめ。

吐き気でLDがダメだっていう人は、ULDおすすめってことになります。

ただ、肝心の血栓症に関しては、現在のところ、LDもULDも違いはないようです。

あと、時々いらっしゃるのが一時ピルを飲んでいたんだけど、少しやめちゃって、また再開したい、という方。
もちろん、それでもいいんですけど、ピルの血栓症に関していえば、ピル飲み始めが一番血栓症が出やすい時期なんです。

なので、一度やめて、また再開すると、もう一度血栓症が出やすい時期を過ごさないといけなくなります。

いろんな理由があって、ピルを一時お休みするのはいいんですけど、せっかく飲んでて調子がいいのなら、あえて血栓症のリスクを心配するのはもったいないので、できればピルは飲み続けてくださいね。

 

投稿者: 平和島レディースクリニック

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