クリニックブログ

2017.09.29更新

「帝王切開2回したので、もう次の子は諦めてます。」

外来で相談されることがあるんですが、

どうも帝王切開の回数には限度があると思われている様子。

 

結論から言うと、帝王切開の回数に限度はありません。

 

ただ、回数を重ねるごとにリスクは上がっていきます。

 

例えば、胎盤の位置が低くて子宮の出口に

近い状態を前置胎盤といいますが、前置胎盤の時には、胎盤が子宮から

剥がれない危険を考えないといけません。

 

胎盤が子宮にくっ付いて剥がれない状態を

癒着胎盤といいますが、2回目の帝王切開では10%、

3回目では40%と、前置胎盤に癒着胎盤が

合併する確率が上がっていきます。

 

帝王切開を繰り返しても必ず前置胎盤に

なる訳ではなく、胎盤の位置が

低くなければ問題ないのですが、

胎盤の位置がたまたま低かったりすると、

癒着胎盤の心配をしないといけなくなる訳です。

 

しかも、癒着胎盤かどうかが前もって

わからない、というのが難しいところ。

実際に帝王切開してみて、胎盤を

剥がそうとして初めて剥がれるかどうかがわかるんです。

 

スルッとはがれればいつも通りの

帝王切開で終わりますが、癒着してたりすると、既に胎盤を

剥がした部分からの出血がどんどん増えてしまって、非常に危険!

 

なので、もし癒着胎盤の可能性を疑う時には、ひとまず胎盤にはノータッチで

お腹を閉じて、後日自然に胎盤が出てくるのを待ったりすることも。

 

いずれにせよ、帝王切開を繰り返して、

胎盤が低い位置にある時には、癒着胎盤の可能性を考えないと

いけなくなるので、そういう意味では帝王切開を繰り返すのはリスクが高いと言えます。

 

ただし、無条件に帝王切開は2回が限度、3回が限度っていう訳ではないので、

そこはご心配なく。

 

あと、たまにいらっしゃるのですが、

かなり妊娠の早い段階で前置胎盤だと言われました、という妊婦さん。

 

胎盤の位置って、妊娠後期にかけて徐々に移動するんです。

なので、20週くらいで多少胎盤の位置が低くても、問題なくなることも多いです。

 

なので、あまり早い週数で前置胎盤といわれたとしても、そこまで

心配しないでくださいね。

投稿者: 平和島レディースクリニック

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