偏頭痛持ちの方の生理痛対策
2017.09.04更新
避妊目的や生理痛緩和のために、外来でピルを処方する際、問診票をチェックしてもらうのですが、その中でよくひっかかるのが、喫煙と
片頭痛
です。
まぁ、喫煙がダメなことは説明しなくてもいいと思うので、今回は片頭痛についてまとめてみたいと思います。
ピルを飲んではいけない人の条件として、
前兆を伴う片頭痛
という項目があります。
日本神経学会・日本頭痛学会の発表によると、
片頭痛の方がピルを飲むと脳梗塞のリスクが
7倍
前兆のある片頭痛持ちで喫煙していると、脳梗塞のリスクが
10倍
になるのです。
なので、前兆を伴う片頭痛の方には、ピルではなく以前説明したミレーナがおススメ、ということになります。
前兆を伴わない片頭痛の方であれば、ピルは慎重投与ということになるので、主治医の先生と相談しながら服用してくださいね。
ピルの飲み初めには頭痛が悪化したり、新たに頭痛が出てくることがあるのですが、ピルを継続することによって問題なくなることが多いです。
ちなみに、みなさんの片頭痛のタイプは短時間型ですか、長時間型ですか?
生理と関連する頭痛は、発作の時間が長いことがあります。
もし、一度片頭痛が起こると24時間近く続く、っていう方はアマージという、長時間作用型の処方薬があるので、そちらも検討してみてください。
保険を使っても1粒あたり300円くらいするので少しお高いのですが、その変わり長時間効いてくれるので、試してみる価値はあると思いますよ。
それ以外の治療薬としては、
ディナゲスト
というホルモン剤があります。こちらも生理痛に対してよく効くお薬ですが、少し前まで保険を使っても1か月9000円近くしていました。
ただ、今年になってからジェネリックが発売されたため、およそ半額の1か月4000円前後で内服できるようになりました。
もし、生理痛がつらいけど片頭痛などの条件でピルが内服できない方は、ディナゲストも選択肢として考えてみてください。
ちなみに、ピルとは違ってディナゲストは血栓症のリスクはありませんよ。
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